公園から西荻窪へと拡大
広域で多ジャンルなアートイベントへ
「トロールの森」は東京都内では珍しく公共の場(公園)を主会場とした野外アート展です。また本年度は西荻窪のギャラリー、カフェギャラリー、その他近隣施設などを展示会場として拡大し、昨年に増して広域で多ジャンルなアートイベントとして生まれ変わります。
東京都内には公園の噴水の中にオブジェがあったり、道路の中央分離帯のスペースにオブジェがあったりとパブリックアートが溢れています。しかし、永続的にに置かれている野外オブジェは目新しさを感じず、風景と溶け込み、主体性を感じません。
野外アート展「トロールの森」では、公園を1周する間にさまざまなアートに出会うと同時に、日祭日を中心に行われるパフォーマンスによって、普段では感じることの出来ない現代アートの世界を見ることのできる期間限定のアートイベントというところに大きな意味を感じます。
アートディレクター 井上幸次郎
なんて多彩なパフォーマンス!
「トロールの森」2013のサイトにいらしてくださったみなさま、ありがとうございます。
野外アート展「トロールの森」にパフォーマンス部門ができて4年目となり、今年は11組のパフォーマーが、善福寺公園にて、さまざまなジャンルのパフォーマンスを繰り広げます。
さまざまなジャンル、と書きましたが、ほんとうに多彩なジャンルのパフォーマンスとなるのです。
無謀を承知でジャンルをくくるならば、一番多いのが演劇系。プロの役者や音楽家による音楽劇、素人集団のスペクタクルコメディ、プロのパントマイマーによるマイム劇2グループ、そして漂泊びとによるリーディングと、どれも趣も方法論も到達度も観客の期待度も全く異なる5組です。
次に多いのは舞踏系。とは言え、地域のグループによる江戸芸かっぽれに、プロのダンサーによるヒップホップダンス、それに暗黒舞踏の流れを汲む舞踏家による舞踏と、同じ「踊り」というのは無理無理、おそらく普段はお互い近所付き合いさえ二の足を踏むであろう3組の方々のラインナップです。
そしてパフォーマンスアートと言っていい3組。ただし、1組は、公園を一周して土地の物語を歌と語りで奏でる音楽会、1組はとにかくピンクな大集団で公園を歩き、1組はバンドを背にスピーチをするイギリス人(同時通訳翻訳あり)という、これまた姿形も、観客の「?」も「!!」の方向も千差万別、 あっちこっちを向いているだろうプログラムとなっています。
このような形で、よく言えば多種多彩な、はっきり言えばメチャクチャなジャンルが一堂に会したのは、企画者の凄案凄腕のおかげ…ではなく、全くの偶然、なすがまま流れのままに地域と表現者のやりたいを積み重ねて来た結果です。
そう、全力で、ムズカシイコトヌキでやっちゃいました。だから観客の方々に も、肩の力をすっかり抜いて完全なムズカシイコトヌキ状態で観ていただければと思います。さすれば秋の公園のさわやかな空気とともに心地よい陶酔にひたれること、間違いはありません。
また今回は、最寄り駅の西荻窪のまちなかでも、レストランやカフェでパフォーマンスの公演があります。スケジュールをチェックして、森でもまちでも、どうぞお楽しみください。
「トロールの森」2013 パフォーマンス統括
渡辺眞千子